cineぞこない日記

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フィリップ・ガレル『ジェラシー』


1.
口元から頬の右側にかけて皮膚が震えている。

2.
震えは寒さのせいにすることが出来るので、それぞれ脱いで与えることで三者は連帯する。マフラー、コート、帽子。コートを壁に掛けるとき、宛先のない贈与は何かの終わりを告げる。あるいはベッドの上で脱がされないブーツ。

3.
苛立つべきなのは震えることのない皮膚に対してであって、狙うべきなのは心臓ではない。だから男は死ななかった。震えるべきものは心臓ではなく、皮膚なのだから。

4.
寒さのせいでなければ、もはや皮膚を脱いで与えることはない。皮膚は破られ、噛み砕かれる。そして新たな連帯が編成される。

5.
震えが収まったわけではない。